形見分けは生前にしても大丈夫?生前贈与の注意点

生活

生前に行う「生前贈与」としての形見分けをしておくことで、ご自身の意に沿う形で贈与をすることができます。しかし、生前贈与には税務上の注意点があります。

また、家族間トラブルも避けたいものですよね。そこで本記事では、生前贈与の注意点をご紹介します。

形見分けとは?生前の形見分けの現状

形見分けは故人の思い出を受け継ぐ伝統的な風習ですが、近年は生前に行うケースも増えています。

形見分けの意味とタイミング

形見分けとは、故人が愛用していた品や思い出深い品を、親族や親しい人に分ける行為のこと。一般的には四十九日法要後や一周忌など、故人を偲ぶ法事の際に行われるケースが多くあります。
遺品整理を兼ね、故人の思い出を共有しながら心の整理を助け上でも大切な儀式といえるでしょう。

生前に形見分けを行う理由やメリット

生前形見分けは、贈与する側が元気なうちに「誰に何をどう残すか」を自ら決められる点が最大のメリットです。また、準備期間が長いため、家族のスケジュール調整や相続対策もスムーズになります。

家族の心の整理や遺産トラブルの予防にもつながる

早めに品物を分けておくことで、相続時の遺産分割協議が簡潔になり、遺産トラブルを未然に防げます。また、家族みんなで話し合う機会ができるため、故人を中心としたコミュニケーションが深まり、心の整理にも役立つのも嬉しいポイントです。

生前贈与としての形見分けの注意点

知らずに贈与を進めると思わぬ税負担やトラブルを招きかねません。ここでは、贈与税の基本から相続税への影響まで、注意したいポイントをご説明します。

贈与税の基礎知識と非課税枠

贈与税は「無償で財産を譲り受けた場合」にかかりますが、年間110万円までは非課税となる基礎控除があります。
1月1日〜12月31日で合計110万円以内の贈与なら申告不要ですが、超過分には贈与税が課されるため、贈与の合計額には注意が必要です。

高価な品物を贈与すると課税対象になる可能性

宝石や骨董品、不動産など高価な品は評価額が高く、非課税枠を超えやすい傾向があります。
事前に税理士などの専門家による鑑定を受け、正確な評価額を把握した上で、贈与額を調整しましょう。

生前贈与契約書の作成と証拠の残し方

口約束でも贈与は成立しますが、後日の税務署確認や家族間トラブルを避けるために、贈与契約書を作成しましょう。
贈与品目、贈与日、贈与者・受贈者の氏名などを明記し、双方の捺印を残すことで確かな証拠になります。

贈与をすると相続税にも影響がある

相続開始前3年以内に行われた贈与は相続財産に加算される「生前贈与加算」の対象です。
相続税とのバランスを考慮し、計画的に行いましょう。

形見分けをスムーズに行うためのポイント

生前形見分けは「思いを伝える」と「税務・法務を守る」の両立が肝心です。

家族間での合意形成とトラブル防止策

誰に何を贈るのかを家族でオープンに話し合い、合意を得てから進めることが重要です。公平性や意図を明確に伝えることで、不公平感を解消しトラブル予防につながります。

親族や友人などに形見分けをしたい場合にも、家族間で事前に話し合っておきましょう。

贈与対象品の選び方

故人との思い出が強い品や、受け取る人が大切にしてくれそうな品を選んでください。
自分では使わない、形見分けもしないものは、これを機に処分しておきましょう。

遺言書やエンディングノートの活用

形見分けの内容や理由を遺言書に明記すれば法的効力が担保されます。
また、エンディングノートに思いや経緯を記せば家族にも意図が伝わりやすくなります。

専門家(税理士・司法書士)への相談

相続関連の法律は複雑です。
特に高額贈与や不動産を扱う場合は、税理士や司法書士に早めに相談し、最適な手続きをすすめられるようにしましょう。

よくある質問Q&A

生前贈与としての形見分けについて、疑問をまとめてみました。

Q1. 形見分けで贈与税がかかるのはどんな場合ですか?

年間110万円を超える贈与を行った場合に贈与税がかかります。1月1日から12月31日までの1年間で、同じ人に贈与した財産の合計額が110万円を超えると、超えた分に贈与税が課されます。
例えば、宝石やブランド品、時計など高価な品物を贈る場合は、その評価額が110万円を超えないか確認が必要です。複数の品物を贈る場合は、それらの合計額で判断されることを覚えておきましょう。

また、贈与税は受け取った時点での価値を対象にしています。
高価なアクサリーに監禁価値があったとしても、受け取った時点の価値が110万円以下であれば贈与税は掛かりません。

Q2. 贈与した品物の価値はどうやって判断するのですか?

専門家による鑑定や市場価格を参考に評価します。宝石や貴金属、骨董品などは、専門の鑑定士に評価してもらうのが確実です。
ブランド品の場合は、中古市場での買取価格を参考にすることもあります。
不動産の場合は、路線価や固定資産税評価額を基準に算出されますので、税理士に相談されることをおすすめします。

購入時の価格ではなく、贈与時点での時価で評価されるので注意が必要です。

Q3. 形見分けで贈与契約書は必ず必要ですか?

法的には必須ではありませんが、作成しておくことを強くおすすめします。口約束でも贈与は成立しますが、後々のトラブルを防ぐために契約書を残しておくと安心です。
特に高額な品物や、複数の家族に分ける場合は、いつ・誰に・何を贈ったかを明確にしておくことが大切ですよね。

契約書には、贈与日、贈与者と受贈者の氏名、贈与する品物の詳細を記載し、双方が署名・押印しましょう。税務調査が入った際の証拠としても有効です。

Q4. アクセサリーや洋服など日用品も贈与税の対象になりますか?

高価なものでなければ、通常は贈与税の対象になりません。一般的な衣類や日用品、使い古した品物などは、社会通念上「形見」として認められ、贈与税の対象外とされることが多いです。
ただし、ハイブランドのバッグや高価な着物、宝飾品などは評価額によって課税対象になる可能性があります。判断に迷う場合は、税理士などの専門家に相談してください。

Q5. 生前贈与は相続税の節税対策になりますか?

計画的に行えば節税効果がありますが、注意点もあります。年間110万円の非課税枠を活用して、長期的に少しずつ贈与していけば、将来の相続税を減らすことができます。

ただし、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に加算されるため、早めに計画的に進めることが重要です。また、あまりに多額の贈与を短期間で行うと、税務署から指摘を受ける可能性もありますので、専門家のアドバイスを受けながらすすめましょう。

Q6. 兄弟姉妹で不公平感が出ないようにするにはどうすれば良いですか?

事前の話し合いと、贈与の理由を明確に伝えることが大切です。形見分けは金銭的な価値だけでなく、思い出や想いを受け継ぐ行為でもあります。
なぜその品物をその人に贈りたいのか、理由をしっかり伝えることで、家族の理解が得られやすくなりますよね。

また、金額的なバランスも考慮し、大きな差が出る場合は調整することも検討しましょう。家族全員で話し合いの場を設け、透明性を保つことがトラブル防止につながります。

Q7. 遺言書に形見分けの内容を書いておくべきですか?

法的効力を持たせたい場合は、遺言書に記載することをおすすめします。遺言書に記載することで、「誰に何を遺すか」が法的に保証されます。特に高価な品物や、特定の人に確実に渡したい品物がある場合は、遺言書に明記しておくと安心です。

エンディングノートにも思いや経緯を記しておくと、家族が意図を理解しやすくなりますね。遺言書とエンディングノート、両方を活用することで、より確実に想いを伝えることができます。

Q8. 親族以外の友人にも形見分けをしたいのですが可能ですか?

可能ですが、家族への事前説明と税務上の配慮が必要です。親しい友人に思い出の品を贈ることは問題ありませんが、家族に事前に伝えておくことが大切です。後から「知らないところで贈与されていた」となると、家族間でトラブルになる可能性がありますよね。

また、友人への贈与も贈与税の対象になりますので、110万円の非課税枠を超えないよう注意しましょう。贈与契約書を作成しておくと、後々の証拠にもなり安心です。

おわりに

生前に行う形見分けは、故人の想いを次世代へつなぎ、家族の絆を深める貴重な機会です。兄弟間で形見分けを行う際は、価値評価と希望を調整し、公平性を担保するなど、配慮を行いスムーズにすすめられるように心がけてください。

話し合いの場を設けると共に、必要なら第三者を交え協議書を作成することで、納得感のある分配を行いましょう。

ゆうの

ライター歴23年目、3人の子どもを育てるシングルマザー。 お酒と編み物、横浜DeNAベイスターズが好き。

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