定年後は人生の新たなスタート地点であり、終活はその第一歩。終活は「最期の準備」ではなく、「今をより良く生きるための準備」です。
今回は、定年までに知っておきたい終活の基本をご紹介します。
終活の基本ステップ

終活の基本ステップは下記の通りです。
終活を始めるベストタイミングは定年後
定年退職後は時間的余裕が増え、心身ともに準備が整いやすい時期です。早めに終活をスタートすることで、家族への負担軽減をして心の整理をしましょう。
エンディングノートを作る
自身の希望や思いを記録することで、家族への伝達がスムーズになります。葬儀の希望や財産の分配方法など、具体的な項目を記入しておきましょう。
延命治療や介護への希望、家族や親族への連絡先の記載もお忘れなく。
身辺整理と遺品整理をする
不要な物を整理して処分してしまいましょう。生活空間が整い、心もスッキリします。
財産の整理と相続対策
財産の一覧を作成して誰に何を相続するかを明確しましょう。税理士や弁護士と相談し、適切な対策を講じましょう。
遺言を書く
遺言には、自筆証書遺言だけではなく、公正証書遺言や秘密証書遺言があります。公証証書の形で遺言書を作成しておくと確実です。
自筆証書遺言と秘密証書遺言は、内容の確認がないため不備があっても修正できません。
無効にならないように、専門家に見てもらうのがおすすめです。
葬儀
葬儀にはどんな方を呼びたいか、どんな規模・形式で行いたいかを決めておきましょう。一般葬以外にも、家族のみでお別れをする家族葬、火葬式の直葬、遺骨を自然に還す自然葬、生前にお別れをする生前葬など多彩な形があります。
また、宗教や宗派に関しても、ご自身のこだわりがある場合には予め決めておきましょう。
お墓選び
お墓を生前に購入すると、相続税が掛らないというメリットがあります。
また、自分の好きな場所や好きなデザインを選べるのも嬉しいポイントです。
終活をスムーズにすすめるコツ

終活では、自分の希望を決めるだけではなく、希望を実現できるように家族や親族と話し合ったり、専門家に相談したりすることが大切です。
自分がどうしたいかを考え優先順位をつける
葬儀や納骨、お墓などで自分がこだわりたい所を考えて優先順位をつけてみましょう。自分の意思や希望は変化することもあるため、1年に1度などの時間を決めて、見直しをするのも大切です。
家族や親族と話し合う
希望が決まったら、話し合いをしましょう。残された家族が困らないように、家族や親族にきちんと説明し合意を取っておくことが大切です。
専門家に相談する
終活には、医療や介護、法律などの専門分野が含まれています。わからないことは専門家に相談しておくと安心です。
医療・介護の意思表示方法

もしもの時に備えて、自分がどのような医療や介護を望むのかを明確にしておくことは、家族の負担を減らすだけでなく、自分らしい最期を迎えるためにも大切です。
リビングウィル(事前指示書)とは?
リビングウィルとは、自分で判断できなくなった時のために、延命治療や終末期医療についての希望を文書で残しておくものです。人工呼吸器の装着や胃ろうの造設、心肺蘇生などについて、自分の意思を記録しておきましょう。
法的拘束力はありませんが、家族や医療者が判断する際の重要な指針となります。
かかりつけ医との関係づくり
日頃から信頼できるかかりつけ医を持つことで、いざという時の医療方針を相談しやすくなります。定期的に受診し、自分の健康状態や価値観を伝えておくことが大切です。
終末期の医療についても、元気なうちから話し合っておくと安心です。
介護についての希望を伝える
介護が必要になった時、在宅介護を希望するのか、施設入所を考えるのかを家族に伝えておきましょう。具体的な施設の種類や費用の上限、介護を誰に頼みたいかなども記録しておくと、家族が判断しやすくなります。
認知症になった場合の対応についても、元気なうちに意思表示しておくことが重要です。
医療・介護の代理人を決めておく
自分で判断できなくなった時のために、医療や介護の決定を任せられる人を決めておきましょう。配偶者や子どもなど、信頼できる家族と話し合い、自分の価値観や希望を共有しておくことが大切です。
複数の家族で意見が分かれないよう、代理人は一人に絞っておくとスムーズです。
定期的な見直しを忘れずに
医療や介護への考え方は、年齢や健康状態によって変化することがあります。年に一度程度、自分の意思を見直し、必要に応じて家族や医療者と再度話し合いましょう。
エンディングノートに記録の日付を残しておくと、最新の意思が明確になります。
デジタル終活(SNS・サブスク整理)

現代の終活では、デジタル資産の整理も欠かせません。
SNSアカウントやサブスクリプションサービス、オンラインの金融資産など、デジタル上の情報を整理しておくことで、家族の負担を大きく軽減できます。
SNSアカウントの整理と設定
FacebookやX(旧Twitter)、Instagramなど、利用しているSNSのアカウント情報をリスト化しておきましょう。
死後のアカウント管理について、各SNSには追悼アカウント設定や削除依頼の仕組みがあります。
特にFacebookでは「追悼アカウント管理人」を指定できるため、信頼できる人を設定しておくと安心です。
サブスクリプションサービスの整理
動画配信サービスや音楽配信、クラウドストレージなど、月額課金のサービスは自動更新されるため、放置すると不要な支払いが続いてしまいます。現在契約しているサービスを一覧にまとめ、解約方法も記載しておきましょう。
定期的に見直して、使っていないサービスは早めに解約しておくことも大切です。
オンラインバンキングと証券口座
ネット銀行やネット証券のアカウント情報も、家族に伝えておく必要があります。ログインIDやパスワードをエンディングノートに記載するか、パスワード管理アプリの存在と開き方を伝えておきましょう。
ただし、セキュリティには十分注意し、保管場所は慎重に選んでください。
デジタル遺品の保管場所を明確に
写真や動画、メールなど、思い出の詰まったデジタルデータの保管場所を家族に伝えておきましょう。クラウドストレージやパソコン、スマートフォン、外付けハードディスクなど、どこに何があるかをリスト化しておくと、家族が探しやすくなります。
特に大切なデータは、USBメモリなどに別途保存しておくと安心です。
パスワード管理の方法
デジタル終活で最も重要なのがパスワード管理です。すべてのアカウントのパスワードを紙に書き出すのは危険ですが、信頼できる家族にマスターパスワードや保管場所を伝えておく方法があります。
パスワード管理アプリを使っている場合は、マスターパスワードの保管方法を決めておきましょう。
デジタル資産も財産のひとつ
仮想通貨やポイント、電子マネーなどもデジタル資産です。これらも相続の対象となるため、取引所のアカウント情報や保有額を記録しておきましょう。
デジタル資産は家族が存在に気づきにくいため、エンディングノートに必ず記載しておくことが大切です。
年に一度の見直しを習慣に
デジタルサービスは日々変化し、新しいアカウントを作ることもあれば、使わなくなるサービスもあります。年に一度、誕生日や年末年始などに見直しの時間を設け、情報を最新の状態に保ちましょう。
こまめに整理をすることで、将来の家族の負担を軽減できますよ。
おわりに
定年はゴールではなく、そこからはじまる新たな生活のスタートです。
定年後の新しい人生を充実させるためにも、終わりへの旅支度をはじめてみませんか。




