親の急死は突然で、何から手を付けて良いか戸惑うもの。
葬儀や役所手続き、相続など多岐にわたる作業をスムーズにすすめるには、効率的な方法や丸投げできるサービスの利用が肝心です。
本記事では必要な手続きと費用、選び方をわかりやすく解説します。
親の急死後に必要な主な手続き一覧

急な悲しみの中でも、多くの手続きをしなければなりません。まずは基本の流れと期限、提出先を理解し、ひとつずつ対処しましょう。
死亡届の提出と火葬許可申請
親が亡くなったら、速やかに死亡届を提出します。期限は7日以内で、本人の住所地や本籍地の市区町村役場が提出先です。
死亡届と同時に火葬許可申請も行い、火葬許可証を取得しなければなりません。
葬儀の準備と手配の流れ
葬儀社の選定や葬儀の日程調整、規模の決定などを行います。遺体の搬送や告別式の準備も必要です。
近年は家族葬や一日葬も増え、故人の意向や家族の希望に合わせた形が選ばれます。生前に、意向や費用を確認しておくとスムーズです。
遺言書の確認と相続の開始
遺言書の有無を確認し、あれば内容を把握しましょう。家庭裁判所の検認手続きが必要な場合もあります。
相続人の確定、遺産分割協議を進め、相続税申告なども視野に入れます。専門家への相談をお忘れなく。
銀行口座、保険、年金などの名義変更・解約手続き
故人の銀行口座は死亡連絡後に凍結され、相続人の手続きが必要です。保険金請求や年金受給停止の手続きも同時にすすめましょう。必要書類や期限必ず確認しリスト化します。
出金について知っておきたいこと
注意したいのが、死亡連絡をすると口座から出金ができなくなる点です。生活費など必要な金額は引き出し、メモをしておくのがおすすめです。
金融機関には「遺産分割前の相続預金の払戻し制度」があり、一定額までであれば引き出しを行うことができます。家庭裁判所の仮処分を行わないで単独で払い戻しができる額は、下記の計算式で求められます。
相続人が単独で払い戻しができる額=相続開始時の預金額×1/3×払い戻しを行う相続人の法定相続分
注意したいのが、この場合に引き出すことができる金額の上限は同一の金融機関ごとに150万円と決められている点です。
また、遺言相続のため精度を医療できないケースもあるので、必ず取引をしている金融機関に問い合わせをしましょう。
役所での各種届
住民票の除票や健康保険の喪失届、国民年金の手続きを役所で行います。葬祭費の申請も忘れずに。
運転免許証返納や公共料金の名義変更も必要に応じて手配します。
親の財産や負債を調査する

財産や負債を全く知らない状態で親が急死した時にしておいて良かった手続きを、ライターが実体験をもとにご紹介します。
相続放棄は3ヶ月以内が原則
相続を放棄や限定承認をする場合、自己に相続があったことを知った時から3ヶ月以内に手続きを行う必要があります。そのため、財産や負債の調査を速やかに行うことが重要なポイントです。
相続関係説明図の作成
相続関係説明図は、被相続人と相続人の関係を図面で示したものです。「法定相続情報証明制度」という制度で、法定相続情報一覧図に戸除籍謄本等を法務局に提出すると、写しの交付を受けることができます。
戸除籍謄本等の束の代わりに相続登記に利用できるので便利です。
保険の加入状況を調べる
家族の生命保険の加入状況を一括して調べることができる「生命保険契約紹介制度」を活用しましょう。紹介申請を行うと、各生命保険会社から保険契約の有無が開示されるので、そこから個別で確認を行いましょう。
財形保険契約や財形年金保険契約、支払いが開始した年金保険契約や保険金が据え置きになっている保険契約の場合には、紹介の対象にならないので注意が必要です。
信用機関で負債を調べる
信用情報機関には、全国銀行協会、CIC、JICCの3つがあります。全国銀行協会は銀行、CICはクレジット会社など、JICCは消費者金融なので、全てに問い合わせを行いましょう。
不動産の調べ方
固定資産税の通知書には、所有している不動産が記載されています。ただし、全てが記載されている訳ではないため、登記資料とあわせて市区町村の役所の資産税課で「名寄帳(なよせちょう)」を確認しましょう。
丸投げできる代行サービスの種類と特徴
多忙な中で多くの手続きを一人でこなすのは大変ですよね。必要に応じて専門家の手を借りましょう。
ネットの口コミや評判をしっかりチェックし、契約内容の詳細を理解してから契約してください。追加費用や解約条件も必ず確認しましょう。
葬儀代行サービス
葬儀の準備から進行、参列者対応まで一括で代行してくれます。忙しい方や遠方の家族に最適です。
シンプルプランからオーダーメイドプランまで選べるので、費用や希望に合わせた柔軟な対応が可能です。
シンプルな火葬式プランは20万円前後、一般的な葬儀は50万円程度、高級オーダーメイドは100万円超も。内容と費用を照らし合わせて検討しましょう。
相続手続き代行サービス
戸籍謄本の収集から遺産分割協議のサポート、不動産名義変更まで。相続人間のトラブル防止や手続きの円滑化を専門家が支援してくれます。
家族・親族との協議をお任せしたい場合には弁護士、不動産登記関連の書類の作成をお任せする場合には司法書士など、専門分野によってお願いできる内容が異なります。
連絡先のわからない相続人がいたり、協議が難航していたりする場合には、弁護士が携わっているサービスがおすすめ。
行政手続きや遺品整理など、全てを一括で依頼できる代行サービスもあるので、ニーズに応じて使い分けてください。
相続代行サービスは10万円~50万円程度、遺産分割協議書の作成は5万円〜、不動産名義変更は10万円〜程度が目安です。
いつまでに何をすれば良いか 期限別手続きリスト

突然の親の死後、「何からはじめればいいの?」と混乱してしまいますよね。そこで、期限別に整理した手続きリストをご紹介します。
手続きの期限については、変更のかの王政もありますので、最新のものを確認してください。
すぐに(死亡当日~3日以内)
死亡診断書の受け取り
医師から死亡診断書を受け取ります。この書類は死亡届の提出や火葬許可、保険金請求など、あらゆる手続きに必要になりますので、コピーを複数枚取っておきましょう。
葬儀社への連絡と遺体の搬送
遺体の搬送と安置場所の確保が必要です。病院で亡くなった場合は速やかに搬送しなければならないため、葬儀社への連絡は最優先事項です。
親族や関係者への連絡
近親者や親しい友人、勤務先などへの訃報連絡を行います。誰に連絡すべきか、親の携帯電話やアドレス帳を確認しながら進めましょう。
7日以内
死亡届の提出(死亡を知った日から7日以内)
市区町村役場に死亡届を提出します。24時間受付可能な窓口もありますが、火葬許可証の発行には平日の対応が必要な場合もあるので注意が必要です。
火葬許可申請
死亡届と同時に火葬許可申請を行い、火葬許可証を受け取ります。
この許可証がないと火葬ができないため、必ず取得しましょう。
10日~14日以内
年金受給停止の手続き(死亡から10日~14日以内)
年金事務所または市区町村役場で年金受給停止の手続きを行います。国民年金は14日以内、厚生年金は10日以内が期限ですので、注意が必要ですね。
手続きが遅れると、過払い分の返還を求められることがあります。
健康保険証の返却(死亡から14日以内)
国民健康保険の場合は市区町村役場へ、社会保険の場合は勤務先または年金事務所へ返却します。介護保険証も同時に返却しましょう。
世帯主変更届(死亡から14日以内)
親が世帯主だった場合、新しい世帯主を届け出る必要があります。残された世帯員が2人以上いる場合に必要な手続きです。
3ヶ月以内
相続放棄または限定承認の判断(相続を知った日から3ヶ月以内)
負債が多い場合や相続したくない場合は、家庭裁判所で相続放棄の手続きを行います。この期限を過ぎると自動的に相続を承認したことになってしまうので、早めに財産調査をはじめることが重要です。
遺言書の検認(速やかに)
自筆証書遺言や秘密証書遺言が見つかった場合は、開封せずに家庭裁判所で検認手続きを受けます。勝手に開封すると過料が科される可能性がありますので注意しましょう。
4ヶ月以内
準確定申告(死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内)
亡くなった年の1月1日から死亡日までの所得について、相続人が確定申告を行います。故人が個人事業主だった場合や、給与以外の収入があった場合は特に注意が必要です。
10ヶ月以内
相続税の申告と納付(死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内)
相続財産が基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合は、相続税の申告が必要です。税理士に相談しながら進めてください。
1年以内
遺留分侵害額請求(相続開始を知った日から1年以内)
遺言書によって遺留分が侵害されている場合、この期間内に請求を行う必要があります。
2年以内
葬祭費・埋葬料の請求(死亡から2年以内)
国民健康保険加入者は市区町村に葬祭費を、社会保険加入者は協会けんぽなどに埋葬料を請求できます。金額は自治体や保険組合によって異なりますが、3万円~7万円程度が支給されます。
高額療養費の還付請求(診療月の翌月1日から2年以内)
故人が生前に高額な医療費を支払っていた場合、還付を受けられる可能性があります。
遺族年金の請求(死亡から5年以内)
配偶者や子どもが遺族年金を受給できる場合があります。年金事務所で要件を確認し、該当する場合は速やかに手続きを行いましょう。
3年以内
不動産の相続登記(相続を知った日から3年以内)
2024年4月から相続登記が義務化され、3年以内に登記しないと過料が科される可能性があります。司法書士に依頼するとスムーズに進められますよね。
生命保険金の請求(死亡から3年以内)
生命保険金の請求権は3年で時効になります。保険証券を確認し、保険会社に連絡して請求手続きを行いましょう。
5年以内
遺族厚生年金の請求(死亡から5年以内)
遺族厚生年金の請求権は5年で時効になります。該当する場合は早めに年金事務所で手続きを行いましょう。
未支給年金の請求(死亡から5年以内)
故人が受け取るはずだった年金が未払いの場合、遺族が請求できます。
期限なし(できるだけ早めに)
公共料金の名義変更または解約
電気、ガス、水道、電話、インターネットなどの契約を確認し、名義変更または解約します。引き落とし口座が凍結される前に手続きを進めましょう。
クレジットカードの解約
クレジットカード会社に連絡し、カードを解約します。不正利用を防ぐため、早めの対応が必要です。
運転免許証の返納
警察署または運転免許センターで返納手続きを行います。
パスポートの返納
旅券事務所または市区町村の窓口で返納します。
携帯電話の解約
携帯電話会社に連絡し、解約手続きを行います。
SNSやネットサービスのアカウント削除
故人のSNSアカウントやネットサービスについて、利用規約を確認しながら対応を検討します。
遺品整理
遺品の整理や処分を行います。
専門業者に依頼することもできますので、体力的・精神的に負担が大きい場合は検討してみてください。
手続きを進める上でのポイント
この膨大な手続きを一人でこなすのは本当に大変ですよね。優先順位をつけて、期限が近いものから順に進めることが大切です。
また、手続きには戸籍謄本や除籍謄本、住民票などが複数必要になることが多いため、最初にまとめて多めに取得しておくと効率的です。
どうしても時間が取れない場合や、複雑な手続きで不安がある場合は、行政書士や司法書士などの専門家に依頼することも検討しましょう。
悲しみの中での手続きは本当につらいものですが、一つひとつ確実に進めていくことで、少しずつ心の整理もついていくはずです。
無理をせず、周囲のサポートも受けながら進めてくださいね。
おわりに
親の急死後は多くの手続きが同時に押し寄せ、精神的にも体力的にも負担が大きいものです。今のうちに突然の事態に備え、心構えと準備を整えておきましょう。
家族間で情報共有を行い、書類の整理をして保管場所を確認しておくことも大切です。専門のカウンセラーや行政の相談窓口も活用してくださいね。




